katsumi

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38 『小僧の神様』 志賀直哉

『小僧の神様 他10編 』 志賀直哉 岩波文庫   大正8年12月 有名な小説だが、小僧が神様を感じ取ってしまった話なのか、それとも神様と勘違いされた男の話なのか 仙吉は神田の秤屋の店に奉公している。秋のある日古参の番頭と若い番頭が話をして...
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37 『小フリイデマン氏』トーマス・マン

20世紀最高峰とも言われるマン 先生 さて今回はその北杜夫がすごく影響を受けたというマンを読んでみよう。彼のペンネームもマンの『トニオ・クレーゲル』のトニオから付けたんだというからね。私も高校時代『魔の山』なんかに挑戦したが、途中でつまんな...
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36 『花火』 永井荷風

『花火』 永井荷風   青空文庫  1919(大正8)年 第一次世界大戦講和記念祭が東京で行われた日、それを思い出したのは当日の花火だった。わたしは一人押入れの壁土を反古で張っていった。ふと自分が孤独で、世間から離れてしまったのを悲しいよう...
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35 『球の行方』 安岡章太郎

球の行方 安岡章太郎  講談社文芸文庫『走れトマホーク』 植民地を有していた日本人 先生 この小説ではかつて日本が植民地とした朝鮮半島の人々を朝鮮人としている。もしかしたらそれが蔑視的呼称と受け取る人がいるかもわからない。しかし今回は本文の...
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33 『燈台守』 ヘンルィク・シェンキェヴィチ

ヘンルィク・シェンキェヴィチ 吉上 昭三 訳  新日本出版社 世界短編名作選 東欧編 ポーランドの小説 読んでみよう 珍しい外国の短編小説も読んでみよう。東欧の小説は政治的な問題もあったりして、どうしても過去を引きずっているものが多いらしい...
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32 『善人 ハム』 色川 武大

ちくま日本文学全集 008 戦争の記憶、戦後の現実 第二次世界大戦に敗れ、焦土と化した東京。そこから混乱の社会を生き抜いてきた男を描いた作品。戦前に秩序をなくした混乱期であり、賭け事の記述などもあるが、たぶん作者は空襲や兵士としての体験から...
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31 『運命』 ヘルタイ・イェネー

「結ばれる運命」なんていうけど……    アラビアの詩人の言葉に、全ての女性の口には、彼女と接吻する男の名前があらかじめ記されている。というものがある。運命が拒否する相手だったらどうしようもない。 わたしはカフェーのレジスターの娘に夢中にな...
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30 『ラ氏の笛』松永延造

病に苦しむ異国の人 あまり詳しくはわからないが、松永延造という、大正~昭和期の小説家の作品。横浜の人だそうだ。私、今回初めて読んだ作家だった。作者自身、病気で苦しんだ人で、この小説も病院を舞台としている。ラ氏とはラオチャンドというインド人の...
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29 どうしても暖かみとユーモアを感じてしまう

なんで感じちゃうのかなあ 作品から…… 『厄除け詩集』講談社文芸文庫より 『休憩時間』井伏鱒二  井伏鱒二自選全集 第一巻  さて、今回は『休憩時間』井伏鱒二。昭和5年2月雑誌「新青年」に掲載された作品だ。井伏鱒二は知ってるよね。 『山椒魚...
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28 「芸の、ためなら、女も騙す」って……

思いがけず、面白い短編小説だった 今日は『藤十郎の恋』 菊池 寛 を読もう。  元禄も10年を過ぎたころ、京都では人々の話は坂田藤十郎の名人芸でもちきりだった。藤十郎はやつしの名人と呼ばれ、日本一の色男を演ずる歌舞伎役者としての不動の名声を...